書評

世の中はややこしい。単純化された世界は仮の姿です。【書評?】「複雑系」とは何か

2013年2月14日

古本屋で気になったんで買ってきてみました。
わかんないに決まってるんだけど、
ちょっと興味があったので。

おおよそどんな本なのか

正直、難しいのでとても要約できるほど理解できない。
しかし複雑系研究の歴史から丁寧に述べてあるので、
何となく、複雑系とはどんなあたりの話なのか
というのは多少なりとも感じられる。

そもそもこういう事を不思議に思った人がいて、
研究してみたらこんなことが分かった。
その研究をベースに次はこんな人がこんな研究をして…
というあたりの話は、スーパースターが沢山登場して面白い。
ちょうど、数学が全然わかんなくても
フェルマーの最終定理が証明されるまでの経緯が
すごく面白いのに似ている。

…いや、まだ例えがマニアックだな。
もちょっと平たく言えば、以前NHKでやってた
プロジェクトXという番組の面白さに似ている。

 

数学的には、カオスと複雑系との違いすら
僕にはわかってないけどね。

まあそんなわけで、
この本を読んだ僕なりの理解をまとめてみますが、
信憑性はかなり低いと思って下さい。

複雑系についての勝手な解釈

そもそも、世の中は極度に単純化した状態で理解されている。

パチンコ玉を空に向かって放り投げると?
そりゃ放物線を描いて落ちてくるでしょ。
中学物理レベルの常識やん。

…いやいや。
それって「空気の抵抗は無視」
「パチンコ玉の大きさは無視」
したら、の話ですよ。
あまりによくある前提で忘れがちだけど。

そう。
僕らが知ってるレベルなんてそんなもの。
ややこしいこと全て省いた形でしかない。

それは中学レベルが大学レベルになったって変わらない。
「ある程度の単純化の元に法則を適用している」
という意味において。

 

じゃあ、あるがままの姿を捕らえようとしてみようよ。
というのがどうやら複雑系の根本らしい。

例えば土砂崩れの砂粒はどんな動きをするか。
群れになって飛ぶ鳥はどうやって群れを維持しているのか。

そんなんわかるわけないやん、
どんだけの要素を考慮せなならんのよ、と思いきや、
実は個々の砂粒、個々の鳥について数個の動き方ルールを設けると、
かなり現実に近い動きが再現できちゃったりする。

本当に数個のルールからできてるかもしれないし
実はうんと複雑なのに、似てるように見えるだけかもしれない。
どちらなのか、それは今のところ、確かめようがない。

でもまあ、調べてみたら面白いから
調べてみようよ。

てのが複雑系の研究なんだな、と解釈しました。

で、結局何が面白いんだ

複雑系とは何か、なんて理解しなくたって生きる上でなんの支障もない。
個々の研究を見てるだけじゃ、
数式だのアルゴリズムだので遊んでるようにしか見えないので、
少しも面白くない。

でも、複雑系とは何かという全体像をぼんやりつかんだ上で、
個々の研究を見ると、素人にも
「面白いことやってるな〜」と楽しめる。
そのためだけに、つまり
「この世の中で面白いと思えるものを増やす」ためだけに
この本を読んでみるのも悪くないですよ。

結局、生死に直結しないことは皆エンターテイメントですよね。

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