仕事の上で、上司に振り回されて困ってる人、居ませんか。
今回読んだこの本は、そんな悩みにぴったりでした。
- 作者: 内田和成
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2010/01/29
- メディア: 単行本
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なぜ、上司の言った通りにしたのに「違う」と言われるのか。
何度もやり直しになるのか。
それは「上司の言った言葉をそのまま受け取ってるから」です。
仕事を何か頼まれるとき、もちろん言葉で指示が行われます。
ただ、それを言葉通りに受け取ってはいけない。
そうすると、答えが意にそぐわないことが多い。
何故か。
それは、「解くべき本当の問題」を解いてないから。
例えば上司から「不良在庫を減らすにはどうしたら良いか案を作れ」と言われても、
本当の問題が不良在庫にあるとは限らない。
むしろ、そうでない可能性の方が高い、と、内田氏は自らの経験から語る。
不良在庫があることは事実としても、
営業が弱くてさばききれないのか、
生産計画がデタラメなのか、
あるいは在庫はあってもいいけど倉庫の賃料が高いのが収益を圧迫してるのか。
解くべき問題は全く異なる。
質問や調査、解くべき問題の候補の比較により、本当に解くべき問題へたどり着かねば。
筆者は、この「真に解くべき問題」を「論点」と呼び、論点を探り当てる思考アプローチを「論点思考」と呼ぶ。
これはかなり、目から鱗。
僕の場合、マスコミが流すニュースやネットの話題をみる時には、
「これ本当なのか?この記事で問題とされていることは、表面的なものではないのか?」
という視点は常に持っている。
ところが会社で上司や先輩から言われることは、ほぼ鵜呑みにしている。
というか、そのまま受け取らねばならないものと思い込んでいた。
「上司の指示は間違っている場合が多い」という視点は、
多分僕の仕事のやり方を変えるだろう。
本書の象徴的な一文を引用していうならば、
最初に論点設定を間違えると、間違った問題に取り組むことになるので、その後の問題解決の作業をいくら正しくやったところで意味のある結果は生まれない
のだ。
本書はもちろん、こういう「論点に対する意識」だけでなく、
どのように論点を探り当てていくか、という話までしっかり書かれています。
この半年に読んだ本の中で一冊だけおすすめを選ぶとしたら、
迷わずこの本にする。
それくらい良い本です。おすすめ。