いやもう、いまさら言及するのもはばかられるこれですが。
4ヶ月で大学を中退し起業します。レールに沿ったつまらない人生はもう嫌だ。 - いしだの話
私自身は、彼には成功して欲しいなと思っています。
失敗するんじゃ予想どおりすぎて面白くないので。
それはおいといても、
けんすうさんがこんな記事を書かれてて、これまたバズってましたね。
「基本、知らんけど、まあ求められたらアドバイスするわ」という、
入れ込みもせず冷たくもせず、というスタンスが面白かったわけですが。
バズってるときに添えられてるコメント、
「最初はみなこんなもん」ってのが結構目についた。
そうなのか、こんなもんなのか。
だとすると、飛び抜けて優秀な人以外はこんな感じで起業して
当然の帰結として、数%の人しか成功しないんだろうな。
そういう意味では、プロ野球選手を目指したりミュージシャンを目指したりする人と同じわけだ。
ミュージシャンを目指す人は笑われることはあっても、叩かれることはあまりないよなぁ。
ならばなぜ彼は叩かれるのか。
起業だからか。それも違う気がする。
「ブログで稼ぐ」という安直さにイラっとするのは分かる。
けれどたぶん、いろんな言及を見ていると
「レールがいやだ」というところが一番叩かれるところなのだろう。
それなら「起業」はあまり関係ない。
起業の準備がちゃんとできてないことも、あまり関係ない。
単に「レールから逃げた」ことだけが残る。
そう思って見ると、そんなに目新しい話ではないんだね。
何十年前の学生もみんな、この先ずっとレールに乗った人生になるのが嫌だった。
だから少しでも先延ばししようと留年したり、アジアを放浪したりした。
それがモラトリアムと呼ばれた。
今は、遅らせるのではなく「レールからおりる」という選択肢がかなり身近になった。
それはプロブロガーのおかげもあるのだろう。
モラトリアムの新しいかたちとして「大学をやめて起業する」というパターンが生まれた、ということなのだろうな。
もちろん、その中から一握りでも本当に成功する人が出れば、それで問題ない。
きっかけや動機はなんであれ、多くのチャレンジャーの上にひとりの成功者が現れて、その存在が社会を支える。
その会社が提供するサービスはもちろん、税とか、雇用とかの面でも。
そういう仕組みだから、いいんだろうね。
いろんなチャレンジャーがいるから、社会全体としては沈まずにいられる。
だから自己責任論とかは、ちょっと違うのだろうね。
そんなことを思い、ちょっとすっきりしました。