この本、読みました。
かなり前に出た本だけど。
- 作者: デイヴィッド・ミーアマン・スコット,ブライアン・ハリガン,糸井重里,渡辺由佳里
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2011/12/08
- メディア: 単行本
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ま、面白かった。
グレイトフルデッドがやってきたことを今のマーケティングの文脈で解説しているだけなので、はっとするような目新しい話はない。ただ、何十年も前に、フリーミアム、エコシステム、オープンイノベーションをグレイトフルデッドが体現していたってのは、面白い。
でも「現代の主流マーケティング手法をそんなに昔からやっていたなんてすごいね」というのは、ちょっと違うと思う。
何十年も前には、フリーミアムについて書いたマーケティング本なんてないわけで、つまり彼らは自分の頭で考えてやっていた。だけど彼らはたぶん、「変わった成功のしかた、あるべきマーケティング手法」を狙っていたわけじゃなく、好きなこと、やりたいこと、気持ちいいことを常識にとらわれず追求していただけ。その音楽と同じように、「現状にとらわれない。実験的であること」が彼らのマーケティングスタイルだったわけだ。
それを、熱狂的なファンが今現在の状況に照らし合わせて、結果論で論じているだけ、の本という解釈が正しいと思う。
でも、だからダメというのではない。
言うたら、グレイトフルデッドが好きでたまらない人が、マーケティングというテーマで熱く語ったら、きれいに筋が通っちゃった、みたいなこと。
それでも対象への愛があるから、なんか読んでて面白いんだよね。
まじめにこれでマーケティングを学ぼうとするよりは、
面白い切り口のバンド伝記 として読んだ方が楽しめて
そしてほんのちょっと参考になるのだと思う。
いいんじゃない、それくらいで。