これ・・・ 気づく人は気づいたと思うけど。
「はい、これから問題のすり替えしまーす」て宣言してるようなタイトル。
ふるさと納税で東京都世田谷区の税収が減ったって。
その減った額が、保育園5つ分だそうです。
・・・なにその単位。
まずはお金を調べてみよう
まあ念のため、税収16億あれば保育園5個作れるのか、もの好きな私が調べてみましたよ。
税の使い道がわかるサービスと言えばこれ、オープンデータの代表的サービス「税金はどこへ行った?」ですね。
世田谷区の試算もできました。
これによれば、世田谷区民で年10万円 市税を払っている人は、社会福祉に約6万円、教育文化に約1万5千円払ってることになる。
保育園作るのにどちらのお金が使われるか知りませんが、16億円税収戻ったとして、その全額が保育園に使われるわけじゃない。保育園5個も作れるわけないことはハッキリしましたね。
つか、こんなこと、この記者だって分かってワザとやってるでしょ。
読んだ人(の中で情報弱者)に「なに!けしからん!!」て思ってもらうために。
ケシカランのは誰なのか
で、このテーマ、けしからんのは誰なんでしょう?
ふるさと納税制度作った人?
豪華な返礼品を用意してる地方自治体?
冒頭の記事の中では主にこのふたつが取り上げられています。
特に地方自治体のサンプルとして登場してる市の担当者さんなんか「地方にできることをやって返していくしかない」なんて、反省文みたいなコメント取られてます。
おかしくない??地方自治体、なんか悪いことした?
もともと、都市部の税収を移管するための策を、本来の意図通り運用してるだけでしょ?
返礼品や返礼率がエスカレートするのは、そりゃ問題。
でもこの記事、そこじゃないよね?タイトルからして、都市部の税収減を問題にしてる。
じゃ、ここで考えてみましょう。
世田谷区の税収が減る、直接の原因は何?
地方が魅力的な返礼品を用意してるから?
違います。
「世田谷区民が、他の自治体へ、ふるさと納税してるから」です。
当たり前ですね。
ところがこの記事、その当たり前を完全にすっ飛ばしてる。
世田谷区民については、かすってもいない。
「だから皆さん、今住んでるところに納税しましょうね」という呼びかけならわかる。
でも別にそうとも書いてない。
なんなんでしょうねー。
それっぽい記事が書けりゃそれでいい
てことでしょうか。
ちなみに冒頭の記事、間違ったことは書いてないですよ。そのへんはうまくやってますよね。
「保育園5個分に相当する」とあるだけで、「保育園5個作れるのに」とは書いてないです。
ミスリードには気をつけましょうね。