この本、読みました。
中国の中でビジネスをする難しさというのは、以前から様々な人が語ったり、警鐘を鳴らしたりするところ。そこへ飛び込んで、いかにビジネスを行うか。筆者10年の奮闘記を通した分析。ただ奮闘記から刺激を受けたくて買っただけだったが、いろいろと思うところがあった。
スピード重視 品質はコスト見合い
品質、コスト、納期(スピード)。なにかモノを作るときに、コントロールするべき3大要素。IT業界でも、先輩に口酸っぱく「QCD」と言われてきた。Quality,Cost,Delivery。そう、これらはコントロールするべき3要素であると同時に、お互いにトレードオフの要素でもある。
そんなこと、僕が言わなくても、当たり前のこと。品質とスピード、そしてコスト。何をどの程度重視するか。そのバランスが、自社の特徴となり、短所ともなる。
しかし。
今の日本では、品質は高いことが前提。すごく安いものですら、買って文句を言う人の多いこと。そんなクレーマーもちゃんとケアしてしまうから、安いものですら、品質が下げられない。「品質を下げる」というカードを切れない馬鹿正直な皆様が、そこそこの品質で価格やスピードを最重視してくる奴に勝てるわけがないだろう。
これはやばい。もう一度、品質をトレードオフの候補に、とりもどそう。
そうしないと日本の製造業は、勝てない。中国のビジネスはとにかく早いのだから。
本を読みながら、そんなことを痛感した本でした。
リスクマネジメントという言葉を思い出せ
もうひとつ、筆者が奮闘する様子から感じたこと。
中国への製造委託はリスクが伴う。それは当然。でも、コントロールできないリスクではない。ツボを押さえて、効果的にマネジメントすれば、それなりの品質で、とても安いものが作れる。
みんな、リスクってコントロールできるものであることを、忘れていないか。
リスクがあることは、皆やりたがらない。だけどリスクは、変えられないものではないんだ。リスクを減らす術を知っている者がそれを行い、利益を手に入れる。品質に対するリスクを正確に理解し、そしてコントロールする。それにより、メリットをしっかりと享受する。
そうなんだよ、リスクがあるからやらない、んじゃなく、リスクがあるならコントロールして見せようじゃないか。
この本は、そういう姿勢を見せてくれたのではないだろうか。
覚えておこう。