どうも、学習欲が取り柄の読書屋、せいじです。
最近、エバンジェリスト(伝道師)という肩書を目にします。どうやらモノの良さを伝えるプロ、ということのようです。どうやったらなれるのかな、とこの本を読んでみました。
この本を読むことで何を得たかったか
プレゼンね・・・、もういい大人ですから、人前で話すのも苦手じゃないけど、べつに得意でもない。会社の中でもいまいち、他人を巻き込むのが不得手。言ってることはまあまあ合ってると思うけど、なんか伝わらないんだよなあ。
そんなことを日々思っていたので、「良さを伝えることのプロ」エバンジェリストってどんな能力を持っているんだろう?その能力はどうやったら手に入るのだろう?と思ってこの本を買ってみたわけです。
どんな本だったか
ところが、届いて最初にパラパラ―っと眺めてみたら。
あれ?なんか一時期流行った「〇〇になるための50のポイント」みたいなダメ本なのかな?細かく分かれた章立て、ひとつのポイントについては多くて数ページ書いてあるだけ。そういうポイントがいくつもいくつも書いてある。
うーん、失敗したかな。でもあの西脇さんがそんな駄本を書くかな?
と思いながら、しっかりと読み進めてみたら…分かりました。この本の、いや、エバンジェリストのすごさが。
一言で言えば、「伝わるプレゼン、人に行動を起こしてもらうためのプレゼンには、どうしたらいいか」という話。それが、日常の姿勢、プレゼンに対する心構え、下準備、資料作りからお役立ちグッズに至るまで、丁寧にわかりやすく書かれた本です。だから明日からでも真似できる。特に「同じ内容を話すにしても、相手目線で表現する」という話は良かったです。
1.自分の立場「新種のりんごをお届けします」
2.相手の立場「新種のりんごが味わえるんです」
3.客観的立場「新種のリンゴが届けられます」
なるほど。ビジネス、特に技術まわりの説明では、3番になりがち。営業職でも1番の人が多いのでは。
しかし、エバンジェリストが本当にすごいのは、そこじゃなかったのです。
この本から得た最も大きなもの
読み終わって、考えて、分かりました。
エバンジェリストとは、特殊能力を持っている人じゃない。誰でもできる準備を、誰よりも徹底してやる人なのです。
この本はサラッと見ると、誰でもできるノウハウ集みたいに見えてしまう。しかし、その誰でもやれることをしっかりやっている人は、ほとんどいないのです。いや、しっかりなんてレベルじゃない。「そこまでやるか」というレベルで準備をしている。
例えば、お客様に説明するプレゼン資料。ほとんどの人は、使いまわしてるんじゃないでしょうか。私もそうです。
その資料って、本当に、いま目の前にいる人に伝える最適な資料になっていますか?
誰に対しても、同じ話の組み立てで喋っていませんか?
ちょっと質問されただけで、答えられなかったことはありませんか?
それって、エバンジェリストに言わせたら準備不足。伝えようという熱意が足りないんじゃない?という話なんですね。プレゼンの準備をするとき「ミスしない」をゴールにしていないでしょうか?そんなプレゼンでは、そりゃ伝えるプロには勝てない。
誰でも出来ることを誰よりも準備し、誰よりも磨く。そういう愚直な姿勢こそが、エバンジェリストの能力だったのです。具体的なノウハウもだけど、この姿勢をしっかりと自分のものにしていこう。読んでよかったです。