サラリーマンの皆様、上司の言うこと、聞いてます?
普通は聞きますよね。それこそがサラリーマンなのだから。しかし、この本を読んだら全然違った。
どんな本か
気にはなっていたものの「採用基準」というタイトルにすっかり騙されてしまい、「僕には関係ないな」と読む優先度をかなり下にしていました。しかし、たまたま1時間ほど時間ができた時に思い出し、さらっと読んでみたら、とても刺激的で面白かった。私と同じようにタイトルで敬遠してる皆さん、ちょっとだけでも立ち読みしてみると良いですよ。たぶんそのままレジへ直行となるでしょう。
表紙では『地頭より 論理的思考力より 大切なもの』なんて敢えてぼかしてあるので、私がバラすのもどうかとは思いますが…バラしてしまいましょう。これは「リーダーシップ」の重要性を説いた本です。有名コンサル会社のマッキンゼーではこんな人材を採用するんですよ、という体(てい)で書かれてはいますが、メインのメッセージは「あなたはあなたの人生のリーダーであるか?誰かが決めた価値観や常識に振り回されて、あなた自身で決めてないんじゃないか?」というものです。
自分は自分のリーダーであるか
いろいろと示唆に富むことが書いてあるのですが、ひとつだけ抜き出すとすればこのエピソードです。(私の要約ですので、厳密にこういう表現ではない)
マッキンゼーでは他所の部署に対しても、自分が気づいたことはどんどん意見する。ある時、著者はあちこちの上役からもらった意見を資料に反映せねばと四苦八苦していた。すると意見をしたひとりの上役がふらりと来て、こう言った。
「まさか、僕たちの意見を全て反映するんじゃないよね?」
怒りとあきれで上役をまじまじと見てしまった。
というところ。私が著者でも同じ反応をすると思いますが、考えてみたら結局こういうことなんですね。
- 言う側:気がついた以上、それを伝えるのは気がついた者の責任。気がついているのにスルーするのは仕事をしていないのと同じ。
- 言われた側:外野からいくら指摘を受けようが、資料をまとめるのは自分の責任。自分が考えた根拠を基にアドバイスを取捨選択する。考えなしにすべてのアドバイスを反映するのは、資料をまとめる者としての責任逃れ。(≒リーダーシップの欠如)
結局、誰に何と言われようが、自分の仕事は自分の責任で決めてやり切れ。ということなんですね。それこそが、この記事のタイトルで「上司の言うことを全部聞くヤツはダメ」と書いた理由です。
リーダーシップという大きな言葉にビビらない
リーダーシップって言うと、大ぜいを自分の言うとおりに引っ張って行く、みたいに思いがちですが。
そうじゃないんです。自分の責任範囲は自分で決める。自分がやったほうがいいと思うことは、自分の判断でやればいい。それがリーダーシップであり、そういう意味でみんなリーダーシップを発揮しようぜ、というのが、この本のもっとも言いたいこと。
例えば、電車でお年寄りに席を譲るのだってリーダーシップを発揮できる場なわけです。自分は譲りたいのに周りの目を気にして声を出せない、とか、そういうのがリーダーシップの欠如。極端に言えば、譲る相手(お年寄り)にどう思われるかだって気にしなくていい。不要だったら断られるだけなので、自分が譲るべきだと思ったら譲ればいいんです。それがリーダーシップの発揮。
こう聞くと結構、気楽になりますよね。
リーダーシップ、どしどし発揮していきましょう。この本、おすすめです。