メルカリ、使ってますか?もはや、かなり多くの人が使っていますよね。
では、メルカリで売れて一番驚いたものは何ですか?
私は、『電動自転車の、壊れたバッテリー』です。
こんなものが売れるのか…という驚き。しかも1500円(送料込み)くらいで。
驚きですよね。捨てるしかない、しかも処分代金がいるようなものを、買ってくれる人がいる。たぶん、修理して使うのでしょうね。バッテリーとしての寿命も十分あるはずなのに、充電できなくなっただけの品物なので。
すごい世の中になったなあ、なんて思うわけですが、他人事じゃあ面白くない。
こういう世の中になった時、僕は何をできるのだろうか。ぼんやりと、いろんなことがやりやすくなってることはわかるんだけど。
そんな時にこの本に出会いました。
どういう本か
一言で言うと、めちゃくちゃ面白いです。
・・・って書くだけでは、読書感想文としてはダメですね。
何て言うのかな…今この世の中にあるネットサービス、特に皆に使われているやつすべて、ひとつの軸できれいに説明されているんです。この、ひとつの軸にすべてがつながっている感じが、読んでいてとても気持ちが良いんですね。
ミステリー小説で、伏線がすべて回収されていく時のような気持ちよさ。さらにミステリー小説と違って、教えてもらった軸をもとに、この先を自分で考えられる。
そりゃ面白くない、わけがない。
その軸とは何でしょうか?
ずばり、『小分けにして、遠くとつなげる』こと。
現代のネットビジネスは、すべてこの軸を基に考えられている。
小分けにしてつなげると何が良いのか
メルカリの例で言えば・・・自転車のバッテリーなんて、いままで捨てるしかなかったわけです。それが売れるようになったのはなぜか?
壊れたバッテリーに関わる人を見てみると、
1.使い終わった人
2.それを分解できる人
3.直せる人
4.直したものを売る人
5.修理品を買う人
ってところですねえ。まず、1の人が2の人を見つける術はなかった。これが『遠くとつなげる』で実現したわけです。
さらに、今まで2~4は同じ人だった。けれども遠くとつながることで、2,3,4どれかひとつしかできない人も、活躍できるようになった。
もう少し言葉を足すと…
例えば、壊れた自転車のバッテリー丸ごと欲しい人なんて、そうそう居ないとします。
でも、誰かがそれを分解して、部品にバラしてくれたら?
この部品だけは欲しい、という人が出てくるわけです。
今までは、そんな人を見つける手間のほうがずっと大きかった。ところが、欲しい人を見つける手間がグッと小さくなったことにより、引き受ける範囲が狭くても、そこそこ数が集まるようになった。
世の中全体で、工場のベルトコンベアに並んでるみたいなもんですかね。
ある人は、壊れた古いランタンを直すことに長けている。
ある人は、釣りの仕掛けを作ることに長けている。
そういう人たちが、少し収入を得られるようになってきている。
狭い一部を担当するだけで食べていける時代
ここで思い出すのは、昔インドで見た、体重測り屋さん。
インド行ったらね、道端で日がな一日、ただ体重計を前にして座っているだけのおじさんがいるんですよ。いったい何をしているんだろう?と思ってみていたら、お客さんが来た。
お客さんは小銭を払って、体重計に乗る。それだけで去っていく。本当に体重測るだけなんだ・・・。
初めて見た時はとても驚きましたが、結局、こういうことなんですよ。「え、それだけ?」みたいな仕事が成り立つ環境になってきている、ということなんですね。ビジネスっぽい言葉で言えば、バリュースライシングというらしいですが。価値を薄切りにして、ほんの一部分だけ担うということです。
遊びとしての小商いができる
価値を薄切りにして、ほんの一部だけ担当できるようになると何が良いか?
単に、面白いんですよ。
メルカリで何か売るのって、面白くないですか?僕は好きです。「自分の使わなくなったこんなものが、他の人にとって価値があるのか~」という発見の面白さ。
それと同じことで、「自分ができるほんのささやかなことが、世の中から価値として認められる」ようになる、ということなんです。
例えば僕で言えば、結婚披露宴の二次会で使う音楽を選んであげる、とか。就職活動の自己分析を手伝ってあげる、とか。会社員としての仕事だけじゃなく、半分趣味で半分仕事、みたいな小商いを沢山持てる。別の言い方をすると、こんな感じ。
すべての経済活動は自己表現になっていく
— 家入一真 / CAMPFIRE CEO (@hbkr) 2020年7月31日
二足の草鞋って、ちょっと憧れませんか。そんなの、今までは才能にあふれてエネルギッシュな人しかできなかった。それが、誰でも少しできるようになってきている。
そんなことを考えられるようになります。この本、お勧め。
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