驚きました。図書館で偶然出会ったこの本、めーっちゃめちゃ良いです。借りて読み終わったのに、良すぎて結局買いました。家族全員に読ませるつもりです。
どういう本か
瀧本哲史さん。マッキンゼーを経て、エンジェル投資家をやっていたむちゃくちゃ優秀な方です。その方が若者向けに力を入れて、いくつも本を書いています。その中でも本書は、「14歳向けに、将来どういう人間になったら良いかの指針を示す」という授業のような本。とても読みやすい、かつ、わかりやすいのに、バシバシと心に刺さり、胸が熱くなります。あぁ、こうしちゃいられない、俺も頑張らなくちゃ。
「世の中を良くしたい」という、社会人になりたての頃の情熱を思い出させる本です。
具体的には、過去の偉人の話が中心です。でも、偉人に学べという話ではない。ここ大事。
すごく簡単に言えば、
いつの時代も、世の中を変えるのはルーキー(新人)だ。だから皆、自分の思うようにやれ。
だけど、いろんな先輩や常識、世の中が反対をしてくるから、簡単じゃないぞ。
いままで、世の中を変えた偉人もこんなに苦労してやりとげたのだ。
という話。「この人みたいになりましょう」という説教じゃないですよ。「歴史に名を残したあの人だって、最初は応援されなかったのだ。それでもやり遂げて、古い常識をぶち破った。だから君たちも、反対は気にせずがんばれ」という、全ルーキーへの応援なのです。
だからグッとくるんだよね~。この本。
ルーキーと言っても、若い人だけじゃない。今から新しい世界に飛び込もうとする全ての人を指します。
言ってみれば、これからリスキリングをやろうとする50代の人だってルーキーなのです。
14歳に向けた本でありながら、おっさんだって自分ごととして読める。これがこの本の良いところ。
どうやったら世の中を変えられるのか
でも、誰もがただ、自分の信じた道を突き進めば世の中は変わるのか?
そんなに甘くないことはわかりますよね。最初から、信じる道が合ってるケースの方が少ないでしょ。
では、自分の信じた道を突き進むにあたって、コンパスやチェックポイントはあるのか?
どういう時に、信じた道を修正し、どういう時に貫くのか。
それを、偉人の成功例、失敗例を基に示してくれるのです。
これがただ「信じた道をすすめ」とか「人の言うことに耳を傾けろ」とかだけだと、ぜんぜん説得力ないでしょ。
へっ、何を今さら、分かり切ったことを言うんだ。とか思っちゃうわけです。
ところがこの本は具体的に「ナイチンゲールは、こんな苦労をしたけど、データを以て世の中を変えた」とか、「エジソンですら、他人の話を聞かなかったから、蓄音機でチャンスを逃した」とか、そういうエピソードにそって指針が示される。だから、なるほど~となるんです。
要約してしまえば、「大胆な仮説は持って行動するけど、目の前で起きている事象やデータ、事実そのものを見つめて修正をかける。思い込みや常識にとらわれない。」ということ。
全く新しい状況や世界に対し、メタ認知 とか、自分がまだ知らない情報・データを意識する、という態度は、コロナ禍を経てより重要性が増しています。ただ、そんな難しい本を読まなくても、14歳向けのこの本で、めちゃめちゃ実感・会得できるというわけです。
まだ2月ですが、今年読んだ本の中でベストになること確定です。激しくおすすめ。