書評

未来は作れる。作らなければ、明るい未来は来ない。ピーターティールのZeroToOneレビュー

2014年11月24日

この本、読みました。すごく良かった!

今までで一番良い本というわけではないけれど、今までこんなにたくさん、マーカーをひいた本はありません。
なんというか、示唆に富んだフレーズが多くあり、かなりあちこちを刺激される。

エンジニア魂か、起業家精神なのか、はたまたいちビジネスマンとしての矜持なのか。
どこを刺激されるのかよくわからないけど、とにかくビンビンくる。
たぶん「仕事を通じて世の中を良くしたい」というあたりのツボを刺激されるのだとは思う。

本の中身は、というとーーーー

「21世紀」 という単語に皆がバラ色の未来を思い描いたように、
未来というものは
今よりもテクノロジーが進化し、さまざまな社会問題が解決されていたり、
とても便利で夢のような生活が実現していたり、だと、
誰もが何となく、思っている。

だけど、違う。

今のまま行けば、今のまま時間が過ぎただけの未来だ。
現在の問題が劇的に解決されているわけじゃない。
それは「未来」と呼ぶような代物じゃないだろう。現在の延長だ。

なのに、なんか取り組んでいれば自動的にバラ色の未来へつながるように
勘違いしてないか?

とりあえず思いついたサービスを最低限の形にして、
生き残れる間だけブラッシュアップしていくような、スタートアップ企業。
誰かのパクリみたいなのもたくさんある。

そんなもんじゃあ、思い描いた未来は来ないんだよ。
偶然、劇的なサービスが生まれるなんてありえない。

最初からきちんと、「世の中に劇的な変化を起こすつもり」で
テクノロジーの革新にとりくみ、そこを目指していかないと。

つまり、
「未来はゼロから1を生み出すような
特異なイノベーションによって意図的に作られる」
のだ。
だってそんなイノベーションは、生み出そうと思って努力しない限り、生まれないのだから。

なのに皆、とにかく起業してサービスを立ち上げ、運に恵まれれば劇的なサービスになるって思いすぎなんだよ。

ーーーーてな話。

そういう痛烈な批判を、僕は読み取った。
だけど、本書は、もちろん批判が目的じゃない。

未来をガラリと変えるような気概と計画を以て、
起業をしていかなければダメだろう、という主張だ。

ピーター・ティールがこれを言うと、あまりに説得力がありすぎる。

凡百の起業指南本なんて、読んでたら魂が腐っちまう。
ただご飯を食べていくための起業なら、それで良いだろう。
しかし、世の中に一石を投じたい起業であるなら、この本を読んで、小手先起業本は捨てなきゃいけない。

僕らサラリーマンだってそうだ。
サラリーマンは特に、日々の仕事に流されがちになってしまうけど、
画期的な未来を作るために、劇的な革新を起こさねば。
そのために、働かねば。

そう、強く思わされる本でした。

未来は、自然には来ない。作らなければ。

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