この本、読みました。すごく良かった!
今までで一番良い本というわけではないけれど、今までこんなにたくさん、マーカーをひいた本はありません。
なんというか、示唆に富んだフレーズが多くあり、かなりあちこちを刺激される。
エンジニア魂か、起業家精神なのか、はたまたいちビジネスマンとしての矜持なのか。
どこを刺激されるのかよくわからないけど、とにかくビンビンくる。
たぶん「仕事を通じて世の中を良くしたい」というあたりのツボを刺激されるのだとは思う。
本の中身は、というとーーーー
「21世紀」 という単語に皆がバラ色の未来を思い描いたように、
未来というものは
今よりもテクノロジーが進化し、さまざまな社会問題が解決されていたり、
とても便利で夢のような生活が実現していたり、だと、
誰もが何となく、思っている。
だけど、違う。
今のまま行けば、今のまま時間が過ぎただけの未来だ。
現在の問題が劇的に解決されているわけじゃない。
それは「未来」と呼ぶような代物じゃないだろう。現在の延長だ。
なのに、なんか取り組んでいれば自動的にバラ色の未来へつながるように
勘違いしてないか?
とりあえず思いついたサービスを最低限の形にして、
生き残れる間だけブラッシュアップしていくような、スタートアップ企業。
誰かのパクリみたいなのもたくさんある。
そんなもんじゃあ、思い描いた未来は来ないんだよ。
偶然、劇的なサービスが生まれるなんてありえない。
最初からきちんと、「世の中に劇的な変化を起こすつもり」で
テクノロジーの革新にとりくみ、そこを目指していかないと。
つまり、
「未来はゼロから1を生み出すような
特異なイノベーションによって意図的に作られる」
のだ。
だってそんなイノベーションは、生み出そうと思って努力しない限り、生まれないのだから。
なのに皆、とにかく起業してサービスを立ち上げ、運に恵まれれば劇的なサービスになるって思いすぎなんだよ。
ーーーーてな話。
そういう痛烈な批判を、僕は読み取った。
だけど、本書は、もちろん批判が目的じゃない。
未来をガラリと変えるような気概と計画を以て、
起業をしていかなければダメだろう、という主張だ。
ピーター・ティールがこれを言うと、あまりに説得力がありすぎる。
凡百の起業指南本なんて、読んでたら魂が腐っちまう。
ただご飯を食べていくための起業なら、それで良いだろう。
しかし、世の中に一石を投じたい起業であるなら、この本を読んで、小手先起業本は捨てなきゃいけない。
僕らサラリーマンだってそうだ。
サラリーマンは特に、日々の仕事に流されがちになってしまうけど、
画期的な未来を作るために、劇的な革新を起こさねば。
そのために、働かねば。
そう、強く思わされる本でした。
未来は、自然には来ない。作らなければ。